あらすじ

『パリビ、ザマァ』

青すぎる空は
誰のフィルターも通さずに
ただ、焼く

#Blessed
と打ち込む指は
圏外で
ただの指に戻る

泡立つシャンパンは
一瞬で消えるくせに
「永遠」みたいな顔をして
グラスの縁にまとわりついていた

砂浜は
レッドカーペットじゃない
ヒールを沈め
バランスを奪い
膝をつかせる

海は優しいふりをして
塩で喉を裂く

水は
フォロワーより少ない

「私の方が影響力あるから」

その声は
風にさらわれ
ヤシの葉のざわめきに負ける

スマホは
黒い板

鏡にもならない

ねえ
今のあなたは
何人に見られてる?

上空で
羽音がする

ブーン

ブーン

レンズは
まばたきをしない

編集も
カットも
できない

涙は
加工できない

怒鳴り声は
オートチューンされない

「冗談でしょ?」

冗談みたいな楽園で
冗談みたいに
人間が剥けていく

パリピの仮面が
汗でずれて

承認欲求が
直射日光にさらされて

影だけが
やけに濃くなる

ザマァ、と
誰かが笑った気がした

それは
波の音かもしれないし
あなたの中の
もう一人かもしれない

青い空の下

いいねはゼロ

でも

見られている

ずっと

ずっと

連載情報

ウェブ小説

配信言語
アルファポリス
アルファポリス2026/02/24
  • 現在の作品『パリビ、ザマァ』