あらすじ
望月琢磨。26歳。フリーター。
趣味は、行きつけの喫茶店でゆっくりすること。
普段と何ら変わりのないある日、少し長引いたバイトを終えて、いつもの喫茶店へと足を運んだ。
けれどもその日、喫茶店は見慣れない程の大繁盛。帰ろうかとも思ったが、馴染みの店員からの進言で、ある女性の客と相席をすることとなった。
その女性は文庫本を手に静かだったが、話してみれば自然な会話も出来る人柄で、居心地のいい時間を過ごす。が、こちらの機微を目敏く見つけられるような観察眼を持っていたが為、自ずからボロを出し、その文庫本に関連したトラウマが思い出されてしまったことで、何の波風も立たなかった日々が動き始める。
そんな中、琢磨は別に一人の少女と出会う。
面識は確かにないはずなのに、仕切りに琢磨に『お会いしたかった』と話す少女。
程なく、その少女の身柄が分かってしまったことでまた、噛み合ったばかりの歯車が速く、複雑に動き始める。
『夢』と『現実』
『成功』と『挫折』
『期待』と『不安』
あるいは、『仕事』と『恋』
どうしたって両立出来ないと思っているそれらが立ちはだかって、日々の苦悩は絶えず増え続ける。
その幾つもの障害を乗り越えようと藻掻いた時、琢磨の見た景色は……。