あらすじ
「神様が何を言おうと知るか。俺を救ったのは神じゃない。雪の中で俺を拾い上げた、あんたの手だけだ」
雪の夜、孤独な少年の指先を包み込んだのは、聖域を守る巫女の温もりだった。
救われた命はやがて、狂おしいほどの独占欲へと変貌し、彼女を外界から隔離する「虹色の檻」を築き上げる。
数千年の時を止め、理(ことわり)をねじ伏せ、魂さえも縫い合わせた二人の愛は、死という名の境界線さえも執着で塗りつぶしていく。
これは、形を変え、時代を超えてもなお、決して解けることのない――世界で最も幸福な数千年にわたる呪縛(しあわせ)のはじまりの夜。