あらすじ
仲の良い高校生、服部湊と北川勝一は、放課後の図書館で一冊の古びた郷土資料を見つける。
題名は『浅岡村伝説』。
大分県山中に存在した浅岡村は、1910年頃に突然廃村となったと記されていた。理由は不明。だが本の最後のページには、赤いインクでこう書き足されている。
「泊まった者は、帰らない。」
さらに、浅岡村にはかつて一軒の旅館「浅岡館」があったという記述がある。
村の中心にあり、最後まで営業を続けていた唯一の建物。
興味本位で現地へ向かう二人。
しかし地図に示された場所に辿り着いたとき、そこには確かに旅館が建っていた。
——営業中の札を下げて。
宿泊名簿には、1910年の日付と、二人の名前がすでに書かれていた。