あらすじ
目が見えなくなってきていたクロエは、ぼんやりと過ごすことが多くなった。
息子のカインを出産した際に、視力が低下していた。
もうほとんど可愛い息子の顔が見えない。
貴族であり、魔物討伐隊でもある夫のエイベルは、目の見えない妻を手放すことはなかった。
そんなある日、エイベルが魔術医を連れてくる。
「片目だけだけど、これで見えるようになるよ!」
そうして魔術を施してもらい、目を開けると、確かに左目だけ見えていた。
クロエは嬉しくなってエイベルを見ると、夫の左目が自分の目と同じ色をしていることに気づいた。
その魔術は、エイベルの目と交換するものだった──。
夫の目で見えるようになって、数ヶ月後。
エイベルが魔物討伐で重傷を負って帰ってきた。
クロエはすぐに、『あの魔術医』を呼ぶように命じるのだった──。
自分を犠牲にしても、妻を、夫を助けたい、夫婦の物語。
1話完結の短編小説です。