あらすじ
砂塵がすべてを覆い尽くす惑星セクター。
そこでは、一発の弾丸が数日分の食料に相当し、機体の駆動音が死神の足音として響く。
レジスタンス「錆びた盾」に身を投じる青年ゼノ・イシュカ。
彼がボロボロの愛機「ワイルド・ハウンド」を駆り、軍の資源を狙う理由は、大義のためではない。病弱な妹に「まともな食事」をさせるという、あまりにも切実で、あまりにも孤独な願いのためだった。
対するは、CPF(沿岸保全軍)の若きエリート、クレア・アッシュフォード。
白銀の最新鋭機「アルビオン・ブライト」を操る彼女にとって、秩序を守ることは正義であり、略奪者は排除すべき悪であった。
決して交わるはずのなかった二つの正義。
しかし、激戦の最中に足元の地盤が崩落し、二機は旧時代の巨大な地下遺構へと呑み込まれていく。
「正義」とは、法を守ることか、それとも目の前の命を救うことか。クレアの信念が、ゼノの泥臭い生き様によって揺らぎ始める。
重厚な接地感と、金属の軋む音が聞こえるほどのリアリズム。
弾丸一発のコストに震え、家族のために泥を啜って戦う青年の軌跡を描いた、至高のハードSFメカニカル戦記。