あらすじ

高度三万六千キロメートル。  人類の大動脈、軌道エレベーター「ヤマト・タワー」。  整備士リサ・アマノは、父を事故で失って以来、「明日」という言葉を失った。  口癖は「今日を生き延びろ」。  未来を信じることができない女。  繊細な同僚ユウキ・シノハラは、ケーブルの「歌」を聴くことができる。  データには現れない異常を、音で感じ取る職人。  ある日、高度二万八千キロメートルで三千人が閉じ込められる。  ケーブル内部に亀裂。  全断裂まで二十二時間。  統合AI「ARTEMIS」は告げる。  修復成功確率、8.4%。  退避を推奨する、と。  しかし二人は、二万二千メートルの降下を選ぶ。  命綱一本で、刻々と重力が変わる空間を落ちていく。  無重力から地上へ。  浮遊から帰還へ。  降りるにつれて、体が重くなる。  そして心も、本音に「降りていく」――。  数字を超える人間の意志。  弱さを認め合う強さ。  そして、重力が教えてくれる愛の形。  これは、三万六千キロメートルの絆の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/02/23
  • 現在の作品【SF短編小説】静寂が聴こえる高度で、君は明日を語った ~8.4%の向こう側、36,000kmの絆~(約1万字)