あらすじ
「真実の愛を見つけた」
そう宣言し、王太子は公爵令嬢である私との婚約を一方的に破棄しました。
隣に立っていたのは、身分違いの平民の娘。
王国中が祝福すると思っていたのでしょう。
――けれど、貴族は沈黙しました。
なぜならこの国の流通、軍需、財政、その要の多くを握っているのは公爵家だからです。
私は怒鳴りません。
泣きません。
縋りません。
ただ、契約を見直しただけ。
「婚約破棄には、当然、責任が伴いますわよね?」
市場が揺れ、物価が上がり、軍の補給が滞り、王家の実権は静かに崩れていく。
それでも王太子は気づかない。
やがて開かれる評議会。
下される廃嫡。
そして追放。
真実の愛を選んだ王太子は、王冠を失い、家を失い、名前さえ失う。
責任を――取らされたのです。
これは、感情で復讐する物語ではありません。
秩序を守るために、責任を明確にしただけの話。
そして国は、新しい王を迎えることになる。