あらすじ
両親から虐待され、愛を知らぬまま育った鬼無里 薫子は8歳のとき、家を飛び出した。
夜の街をさまよっていたとき、着物の着付けの先生に拾われる。
薫子は、この先生の裏の稼業に魅入られる。――じつは先生こそスリの名人だったのだ。
JR埼京線の快速での試験にみごと合格した薫子。大きくなり、先生との二人組のスリ稼業『オシドリ』をしながら腕を磨いていく。
しかしながら薫子の人生は順風満帆ではない。薫子は窃盗症を病み、いずれ破滅するだろうと先生に示唆される。
やがて先生を末期がんで亡くし、彼女は否応なく巣立ちすることになる。
傷心の旅の途中、新潟の特急内で、あるスリ師たちの噂を耳にし、腕比べを挑むのであった。
※本作は本作は武 頼庵さま主催『すれ違い企画』の参加作品です。