あらすじ

1940年、B国の国境近くの村。名家ハルフォード家の下人として働く青年エランは、一家の長女セシリアと身分を越えて将来を誓い合います。しかし1941年、エランの絵の才能と妹への情愛に激昂したセシリアの兄・ギルバートは、エランの右手を鎌で突き刺し、彼の画家としての夢と幸せを無残に踏みにじりました。 1950年、徴兵されたエランはA国との最前線へ送られます。翌年の激戦中、爆発に巻き込まれた彼は行方不明となりますが、軍は彼を「戦死」と認定。その知らせを受けたセシリアは絶望に沈みますが、エランを救えなかった悔しさを糧に村の医師となり、献身的に人々を支えて生きる道を選びます。 1953年、村に駐留したB国軍のカイル中尉は、凛として生きるセシリアに一目惚れし、執拗な求婚を重ねます。村の医療を守るため、ついに結婚を決意したセシリア。しかし、式の前夜、ボロボロの姿で村へ辿り着いたのは、死んだはずのエランでした。二人は涙の再会を果たしますが、運命は休息を与えません。 再会直後、A国軍が突如として南侵を開始。村は混乱の渦に突き落とされます。エランはセシリアを連れて逃げようとしますが、彼女は自分を傷つけた兄・ギルバートを見捨てることができず、救出に向かいます。一方、作戦失敗で仲間を失い理性を失ったカイル中尉は、ある誤解から「セシリアが情報を漏らしたスパイだ」と確信し、憎悪を胸に二人を追い詰めます。 かつての恋人(エラン)、現在の婚約者(カイル)、そして因縁の兄(ギルバート)。 燃え盛る国境の橋の上で、それぞれの想いが交錯する運命の結末とは――。

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小説を読もう2026/02/23
  • 現在の作品境界の肖像 ―紅き指先と凍てつく再会―