あらすじ
強大な電磁パルスが地球を包み文明を殺した日。
28歳の技術者・嵐山は7時間の死闘で原子炉を生き残らせた。出力を定格の5%に落とし、30年間、1日も止めなかった。その電力だけが、崩壊した日本に残された文明の種だった。
地球に因子を播いた宇宙存在が、収穫のために帰還する。ネコ科動物に埋め込んだ因子が電磁パルスで発現し、それを人間が「契約」によって共有・戦う力に変えてきた。15歳の少女ユキは、祖父から引き継いだ老いた三毛猫タマとともに、敦賀発電所の防衛に加わる。
タマの体に残された力はわずかだ。だが18年の歳月が研ぎ澄ました「読み」は、どんな若い猫にもない精度で敵の急所を射抜く。
老猫と少女と老技術者。止めたら終わるものを抱えた者たちが、地球を畑としか見ない存在に挑む。