あらすじ
第三章「鋼鉄の闘技場(ヘパイストス・ファウンドリ編)」は、欲望の摩天楼アルカディア・ネクサスを発ち、陸とリラが初めて“仕事として”星を渡るところから始まる。
降り立った先は、煤煙に覆われた空と酸性雨、無数の煙突と工場の駆動音が支配する工業ユートピア。
そこでは人々の身体は労働と過酷な環境に合わせて機械化され、街そのものが巨大な装置のように無機質に回り続けている。
依頼は「運ぶだけ」のはずだった。
だが、任務の完了と同時に状況は一変する。
何者かの襲撃が二人を襲い、陸の“惑星渡り”は逃走の切り札であると同時に、戦場を動かす戦術そのものへ姿を変えていく。
さらに、黒い戦闘ドローンの介入によって戦いは混沌へ転がり、二人は否応なく、巨大な力学の端に触れてしまう。
追い詰められた先で出会うのは、敵か味方かも定かでない第三者。
「生き延びるために何を捨て、何を信じるか」という問いが、鋼と熱と轟音の迷宮で突きつけられる。
リラの紫紺の瞳が隠してきたもの。
陸がこの世界に呼ばれた理由に繋がるかもしれない“組織”の影。
ただ地球へ帰りたいという願いと、この宇宙に横たわる謎が、少しずつ同じ方向へ収束し始める――。
この章は、二人の旅が「生存」から「対峙」へと段階を上げる転換点。
星を渡る力が、逃げ道ではなく武器になる。
そして彼らは、次なる目的地へ進むための“新しい羅針盤”を手に入れていく。