あらすじ
「責任から逃げ続ける人生。これほど気楽なものが他にあるだろうか?」
響 樹(ヒビキ・イツキ)は、絶賛ホームレス生活を謳歌する無能なダメ男だ。いつ居なくなっても誰も悲しまないクズとして、彼は底辺の自由を満喫していた。
――再会した実の妹が、彼だけが頼りだと縋ってくるまでは。
彼は全てのツケを支払うため、気楽な道化の仮面を捨て、スリーピーススーツの「冷徹なコンサルタント」として立ち上がる。
彼にあるのは、詭弁と正論で相手の脳をショートさせる異常な推論能力。そして、ワイヤーとタクティカルペンで相手の死角を突く、主役にあるまじき逃げ腰の暗器術だけ。
これは、誰にも明かせない不安と憂鬱を抱えたお人好しが、自らの身と心を削って世界の理不尽を「コンサルティング」していく物語。
やがて彼は、誰にも御せない血染めの暴君を戴き、荒野を駆けることとなる。無能を演じていた男の泥まみれの足跡は、誰の目にも眩い星となるだろう。
※この小説はハーメルンにも掲載しています。