あらすじ
人は死してなお、強い想いを抱けばこの世に留まる。
それは未練か、祈りか、それとも愛か。
しかし、純粋だったはずの想いは時に“欲”へと変質し、災いをもたらす悪霊へと堕ちる——。
国家機関の中枢、国家公安委員会の内部に極秘裏に存在する「秘匿資料管理課」。
その実働部隊こそ、幽祠部署 冥環部隊。
彼らは“契約霊”と呼ばれる保護霊とペアを組み、その力を借りて悪霊を祓う、特異な除霊師集団である。
主人公・桜坂湊は、親友・茶山陽太を事故で亡くして以来、生きる意味を見失っていた。
子どもを救うため川へ飛び込み、そのまま帰らぬ人となった陽太。
「どうして亡くなってしまったのか」——その自責と喪失に心を蝕まれた湊の隙を、悪霊が突く。
死の淵に立たされた湊を救ったのは、冥環部隊だった。
本来、除霊の瞬間は結界によって一般人から隔絶され、記憶も曖昧になる。
だが湊は、悪霊が祓われたその瞬間——“一瞬だけ目を覚ました”。
その特異性を見抜かれた彼は、契約霊とペアを組む見習い除霊師として、冥環部隊に加わることになる。
守るべきは、人の想いか、それとも秩序か。
悪霊とは本当に「悪」なのか。
これは、生と死の狭間で揺れる少年が、
霊と“ペア”を組みながら、失った親友を探しながらもこの世に残り続ける人を次の人生へ送り出す物語。