あらすじ

潰れた定食屋の料理人・イツキが異世界に召喚された。「勇者」として。 剣は振れない。魔法適性ゼロ。持っているのは出刃包丁一本。 北の荒野で出会ったのは、「災厄」と呼ばれる男だった。 山を三つ割る力を持ちながら、何日も飯を食わず白い岩の上に倒れている。銀灰色の髪。青紫の瞳。「誰の世話にもならない」と言い切る口で——イツキの握り飯を、一粒も残さなかった。 一食ごとに男の体が変わっていく。指先が温かくなる。声から掠れが消える。器の縁を指で拭って、最後の一滴を舐め取る。飯のときだけ、この男のガードが落ちる。 だが美味い飯を作るほど、大地が枯れていた。 俺の飯がこいつを生かしている。俺の飯がこの世界を殺している。 ——それでも、この男に食わせたい。 出刃包丁と舌だけを頼りに、どの世界にも属さない場所を探す旅が始まる。 料理人と「災厄」、二人の食卓の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/02/22
  • 現在の作品お前がいなくなったら誰と飯食うんだよ