あらすじ
県立・朝凪高校には、恋の噂を“扱う”秘密組織がある。
告白の成功率を上げる? 失恋の後始末? 噂の火消し? 関係の再定義?
――恋路工作室は、恋の問題を「状況」と「言葉」と「撤退線」で支援する。
できるのは、決断の場を作ることだけ。
心そのものは、操作できない。選ぶのは、いつだって本人だ。
そして、この学園では「忘れたい恋」が連鎖していた。
匿名アカウントが“忘れ方”を売り、噂は商品になり、正義の断罪が遊びになる。
救うほど誰かが諦め、傷が残り、後味は消えない――完全救済は、しない。
参謀・高瀬恒一は翻訳と設計で救う側に立つが、やがて当事者として崩れていく。
合理主義の団長・桐生玲奈は炎上の責任を背負い、降板し、やり方を更新して戻ってくる。
そして核心の依頼――
「恋人に好きな人ができた。忘れさせて。」
嘘の依頼、誤った方法、痛い結論。
忘却ではなく“無害化”へ。痛みと一緒に生きる“言葉”へ。
これは、恋を“勝ち負け”から降ろす物語。
噂と匿名の渦の中で、それでも誰かが、自分で決められる場所を作る話だ。