あらすじ
里を救う「神子」と呼ばれた少年は、5年後、ただの「排液処理装置」として肉を焼かれていた。
少年の名はカグチ。死ねない再生能力を持つ彼は、里に流れる猛毒の呪鋼(じゅこう)をその身に肩代わりし、心臓に杭を打たれて地下に幽閉され続けていた。
「器」として使い潰されるだけの絶望的な日々。
だが、ある夜。彼の前に現れたのは、一族から「不純物」として追放された、黒髪の吸血鬼・ヨミだった。
彼女が求めたのは、カグチを苦しめ、世界が忌み嫌うその「猛毒」。
「ねえ、その血……私にくれない?」
檻を縛る鉄の杭が引き抜かれたとき、少年の激痛は、少女の漆黒の翼へと昇華される。
これは、世界のすべてに拒絶された二人が、自分たちをゴミと呼んだすべてを置き去りにして、自由な空へと駆け上がるまでの物語。