あらすじ
空白は、必ず写す。
王立整合院の校閲官エリスの癖は、それだけだった。
王国は“整合指数”で人を裁く。
血統も功績も罪も、すべてが演算で数値になる。
ある朝、処刑予定者一覧に――自分の名前があった。
執行日:三ヶ月後。
整合指数:正常。
罪状欄:空白。
ただの不備を見つけただけだった。
正義感でも使命感でもなく、校閲官として空白を止めただけだった。
それなのに記録は消え、履歴は埋まり、“欠けた円の印”が残り始める。
処刑は止められるのか。
そして、整合指数を動かしているのは――誰なのか。