あらすじ
かつて、人類は魔族と戦っていた。
そして勇者アベルマスは、魔王を討った。
――そのはずだった。
次に彼が目を覚ましたとき、世界は変わっていた。
魔族も魔王も存在しない。
歴史にも、伝承にも、その痕跡は一切残っていない。
代わりに世界各地に存在するのは、多層構造の巨大な迷宮。
内部では魔獣が絶えず発生し、討伐すれば肉体は根源魔素《マナ》へと還元され、魔獣の一部である素材や核を残す。
迷宮でしか採れない鉱石や薬草も存在し、それらを探索・回収する専門職――迷宮探索者《ダンジョンシーカー》が活躍していた。
だが、アベルマスは知っている。
自分が生きていた時代に、迷宮など存在しなかったことを。
構造を変える迷宮《ダンジョン》。
素材だけを残して消える魔獣。
そして、自分だけが覚えている“失われた世界”。
なぜ世界のあり方がこうも変わっているのか。
なぜ自分は記憶を保っているのか。
その違和感の正体を探るため、
アベルマスは迷宮探索者を育成する学園へと入学する。
元勇者は、真実を求め迷宮《ダンジョン》へ赴く。