あらすじ

建国して二年にも満たぬ、あまりにも若く活気に満ちた国、ブラーデマーゲス。
 そこに多くの知見、占術を活用する王宮占術師がいた。
 彼は建国前より、一度も城を空けることなく、神との対話だけで友の勝利を導いてきた。人呼んで「動かざる軍師」。その名は王宮占術師メンティス。

 ある日、彼が見た夢。
 あまりにも不可解な夢。四つの映像からなる予知夢。

 彼が愛用する仕事道具。ガラスの板にデジタル数字を浮かび上がらせる異形の天球儀。
 それに一つの運命を託した。女神の教えが現実になる日がいつになるのか。運命の日を。

 T1230. 4. 04――。
 それは、三年後の冬に訪れる決定的な変事の刻印。

 流星、洞窟の骸骨、廃城の骸骨、そして自らが知らぬ世界の光と影。
 それが吉か凶か。答えなどわからない。女神が教えてくれた、この事実を今、抱えるのは自分だけでいい。

 親友である若き王にすら開かせぬ秘密。それを胸に抱え、孤独な三年の準備を開始した。

「冬の星はいつも美しい。……凍てつく風が吹こうともね」

 いつか言おう。そんな思い、語られざる予言を胸に、いと賢き者は静かに運命の物語を綴(つづ)り始める。

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アルファポリス
アルファポリス2026/02/22
  • 現在の作品ブラーデマーゲスの王宮占術師 ――神より夢に託されし、秘匿された未来――