あらすじ
光の王国『スプリング』の希望、当代最強の勇者アリスター。
魔王軍の冷酷なる知将、銀鴉のヴァレリウス。
断崖絶壁での「宿命の初対決」は、誰もが予想しない結末を迎えた。
アリスターは、殺気走るヴァレリウスの至近距離に踏み込み、あろうことか「服の汚れ」を払い、「解けた紐」を結び直したのだ。さらには崩落する足場から、敵であるはずの将軍を「お姫様抱っこ」で救い出してしまう。
何が何でも彼と友達になりたい――。その一心で、アリスターは魔王城の門前で「ピクニック」に誘い敵の魔剣を象った「手作りの髪留め」をプレゼントする。
一方、ヴァレリウスの平穏な日々は崩壊した。
冷酷な将軍として魔王軍を支えるはずが、勇者のせいで「魔王様から同情される」という屈辱を味わい、愛称で呼ばれるたびに胃を痛めるハメに。
仲間に激怒されても「彼は次期魔王にふさわしい!」と断言する【重すぎる愛の陽キャ勇者】。
殺したいほど憎いはずなのに、贈られたピン留めをどうしても捨てられない【絆され気味の陰キャ将軍】。
世界平和の鍵は、決闘ではなく、カツサンドと一本のピン留めが握っている――?