あらすじ

生まれた時から、皮膚に花がある。 「花印(かいん)」──世界にたった一人の相手と対になって現れる、身体の紋様。離れれば身体が壊れ、近づけば勝手に咲く。逃げ場のない、肌に刻まれた運命。 世間はそれを「奇跡」だの「祝福」だのと持て囃すが、左太腿に不吉の花──彼岸花を持つ高校生・葛城宵(かつらぎ よい)にとっては、ただの呪いだった。 ある日届いた一通の通知。対の相手は、学園のアイドルにして自分が最も苦手とする陽の権化、天道朝日(てんどう あさひ)。 「やっと会えたね、私の運命!」 「今すぐ一緒にこの花を焼き消しに行ってくれ」 花印を消す儀式「散華」を望む宵と、運命の恋を信じて疑わない朝日。噛み合わない二人が交わした賭け──半年間、恋人のフリをする。それでも心が動かなければ、一緒に花を殺しに行く。 だけど花印は嘘をつかない。拒むほどに肌は疼き、離れるほどに身体が壊れ、あの子に触れるたびに太腿の彼岸花が紅く、艶やかに、咲き乱れていく。 逃げたいのに逃げられない。好きじゃないのに、身体が溺れていく。──これは運命という名の猛毒に侵される、二人の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/02/22
  • 現在の作品運命の花を消したい私と、絶対に逃がさない彼女。半年間の「恋人のフリ」は、窒息するほど甘くて重い