あらすじ

その年の選挙戦は、かつてないほどの異様な熱気に包まれていた。いや、その熱は一過性の流行などではない。その火は消える気配を見せず、この国をゆっくりと焼き続けている。おそらく今後もずっと――。 『私を、皆さんのお姉さんにしてくださあああい!』 「おさやあああ!」「さやねええええ!」「さややーっ!」 『おれらイケメン軍団がこの国を仕切る。怖いか?』 「きゃああああ!」「こわーい!」「私を見てえええ!」 街頭演説は、もはや政策を語る場ではなかった。黄色い声が飛び交い、団扇とペンライトが振られ、歓声が幾重にも折り重なり、波のようにうねる。スマートフォンは第三の目となり、焦がすような視線を壇上へ向け続けていた。 政治家たちはついに気づいたのだ。国民が何を基準に票を投じるのかに。それは政策でも理念でもない。ただの見た目だということに。

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小説を読もう2026/02/22
  • 現在の作品人は見た目が十割 :約2000文字 :社会