あらすじ
【その奇跡は、すべて捏造されたものである。】
アイゼングラード帝国の第五皇女アレクシア。菫色の瞳を持つその美少女は、存在自体が戦略級の魔力兵器であった。彼女が善意を振りまくたびに、古の都は砕け散り、神聖なる学園の門は地図から消滅する。
この「歩く災厄」を「偉大な皇女」として祀り上げ、帝国の平穏を捏造し続ける男がいた。
病弱な下男に身をやつした帝国筆頭魔術師、イースラン。
彼の役割は、皇女が引き起こす破壊のすべてを「祝砲」や「事故」として処理する隠蔽術師(クローカー)。修復による隠蔽工作と、嘘に嘘を塗り重ねる日々。だが、アレクシアの純粋すぎる破壊の奔流は、やがて帝国の深淵に眠る「呪い」さえも暴き出していく。
集められたのは、エリートの皮を被った異常者たちの巣窟、『虹彩(アイリス)』クラス。
救われた結果として狂信を抱く騎士、泥を被る決意をした侯爵家の嫡男、目立ちたくないのに巻き込まれる平民の天才。
これは、美しき爆裂皇女が撒き散らすカオスを、死相の出た魔術師が鉄の意志と嘘で調律し続ける、救いと捏造の叙事詩。
「隠し通したい隠蔽術師」と「すべてを焼き尽くす皇女」の、終わりなき戦いが幕を開ける。