あらすじ
王立学院の卒業式当日、公爵令嬢エリアノーラ・フォン・ヴァレリウスは、身に覚えのない罪で婚約破棄と国外追放を言い渡される。彼女が持つ魔力は『強欲の対価』と呼ばれ、少額の貨幣を消費することで奇跡を起こすが、王国では「国庫を食いつぶす呪い」と忌み嫌われていた。エリアノーラは「これ幸い」と、誰もいない辺境の死地『ゲヘナの谷』での隠居を決意する。
彼女はただ、快適に寝るために「銅貨1枚」を供物として捧げ、魔法を発動した。しかし、彼女の能力は「チート度5」の規格外。ただの「寝床」を願ったはずが、古代の神殿が浮上し、周囲の魔物は聖獣へと変貌、不毛の地は一瞬にして伝説の霊峰へと姿を変えた。この異変を察知した周辺諸国や教会は、「追放された聖女が新天地で神の国を建国した」と戦慄する。
エリアノーラ本人は「ちょっと掃除が捗りすぎたかしら?」と首を傾げながら、訪れる刺客や調査団を「暇つぶしの遊び相手」として手厚く(物理的に)もてなす。その圧倒的な力と、ズレた慈悲深さに、敵対者は次々と「これこそが真の王だ」と狂信者化。気づけば彼女の周りには、最強の魔王や伝説の賢者が膝を突き、彼女の何気ない独り言を「世界を救う神託」として解釈し、勝手に国家規模のインフラ整備や軍備拡張を進めていく。隠居したいエリアノーラの願いとは裏腹に、彼女の領地は世界最強の帝国へと膨れ上がり、ついには天界の神々すらも彼女を「主」と仰ぎ始める。勘違いが積み重なりーー。