あらすじ
大学生の三枝ミオは、帰り道に段ボール猫を拾ってしまう。しかもこの猫、鳴かない。代わりに――しっぽで“指す”。
しっぽが指した先で、迷子、落とし物、転倒未遂。小さな事件が次々と起きて、ミオの平穏(とレポート)はどんどん遠のいていく。
やがて商店街のお祭りの日、町のトラブルは連鎖して大きくなり、ミオは“怪しい人”扱いされかける。
そんな中、猫のしっぽがまっすぐ指したのは、提灯の届かない裏路地。そこには町の“運”をいじってしまった青年と、古い鈴の秘密があった。
「均すために、ほどいた」
「でも、迷子は均されなくていい」
猫の不思議な“案内”と、ミオの小さな勇気が、絡まった町のほつれをほどいていく。
そして最後に残るのは、事件ではなく――空っぽの冷蔵庫と、猫の当然のドヤ顔だった。