あらすじ
「ああ、ワタシの愛しい子よ。あなたが《聖女》にさえ生まれていなければ……ごめんなさい……」
野良の黒猫であったはずの吾輩は、今世では《聖女》という生き物に転生したらしい。
特殊な力を持ち、国内でも高い地位に立つ事を約束された《聖女》候補者達は、しかし血で血を洗うような残酷な競走を強いられる。
そんな未来を憂いた実母の手により、吾輩は転生早々捨てられる事となった。
幸か不幸か、吾輩を拾ったのは隣国の貧乏夫婦。
どこか抜けているが愛情深い新父母の庇護を受け、吾輩はそれなりに快適な人生を送っていた。
だがある日、ひょんな事から吾輩の《聖女》としての才能がバレてしまい――この国の王子が、吾輩を捕えにやって来た。
御免被る。
吾輩は、今の生活が気に入っているのだ。