あらすじ
ファッションデザイン学校に通うソーリは、今年で最終学年。顔面にアイロンの火傷痕のあるシド・ヴィシャス似の親友静雄とともに、表面上は緊迫感のなさそうなサブカルチャー生活を送っている。卒展を前に、徐々にヒートアップしていくのかと思いきや、相変わらずマイペースにどんちゃん騒ぎの日々。服に対する情熱は強くても、着ると作るのとでは大違い。卒展のショーに向けて、不器用ながらも頑張っていこうと、ある日決心する。そうして過ごす中、友達の様々な奇態生態を垣間見る。セックス、ドラッグ、アイデンティティー。この世で生きていくのに最も重要な、種の保存の法則を、無意識的にも否応なしに気付いていくソーリ。「自由」の中でサバイブする各々の生徒たちの個人的に抱える問題。お互いの関わりを通して刹那的な悲喜交々を繰り返し、その先に待ち受けている「残酷」な一般世界の遣る瀬無さを嗅ぎ付けながらも、モラトリアムを存分に謳歌していく。「主体的個人」こそがファッションの原則であるというルールを、アンダーグラウンドを通じて描く。弛緩言語破壊型散文。村上龍氏に乾杯。