あらすじ
「死者は、決して蘇らない。……だからこそ、綺麗に直さなければならないんだ」
迷宮の最深部、絶望の淵に現れる異様な雰囲気の男がいる。
漆黒のスーツを纏い、巨大な棺を背負ったその男の名は、サトウ。
彼はモンスターを狩る者ではなく、戦場に遺された「死」を修復する、この世界で唯一の『納棺師(リペアラー)』だった。
なぜ彼は、異世界でまで死者を送るのか。
なぜ彼は、危険を顧みず遺された「証」を直すのか。
無残に散った冒険者の骸(むくろ)が、サトウの手によって「生きていた頃の姿」を取り戻すとき、止まっていた遺族の時間が再び動き出す——。
これは、心を亡くした男が、異世界での「おくり」を通して自分自身の人生をリペアしていく、喪失と再生のハイファンタジー。
――その棺に納められるのは、死者の尊厳と、生者の希望。