あらすじ
マイク・ドノヴァンは十九世紀後半、ベアナックル時代の世界ミドル級チャンピオンとして活躍した名ボクサーだが、余りにも古い時代の選手のため、現在では子孫の方が知名度は高い。息子のアーサー・ドノヴァンは『民族の対決』と謳われたジョー・ルイス対マックス・シュメリング第二戦の他、一九三〇~四〇年代のビッグファイトを数多く裁いた名レフェリーである。アーサーも一時期はプロのリングに上がっていたが、ボクシングの腕は大したことはなかったらしい。むしろ、マイクの運動神経を受け継いでいたのは、アーサーの息子アートの方で、NFLシカゴ・コルツのディフェンス・タックルとして活躍し、殿堂入りを果たしたほどのトップアスリートだった。祖父と孫が全く異なるスポーツで世界的名選手になったというのは極めて稀な例であろう。