あらすじ
ワタシノネウチって、なんだろう。
三度の測定。
三度の無反応。
三度の「失望した」という視線。
魔術が使えない令嬢として生まれ、
婚約者には「いても意味がない」と言われ続けた三年間。
笑った。耐えた。「精進します」と言い続けた。それでも削られていくものがあった。
自分への信頼。
自分への期待。
自分の、値打ち。
そして婚約披露の夜会──
王子は公衆の前で、静かに告げた。
「君といた時間は、無駄だった」
ああ、そうか。これが、限界というものか。
その夜、一人の男が人混みをかき分けて現れる。
隣国の第一王子。
なぜ今夜、なぜここに。彼はリディアに、一つの石を差し出した。