あらすじ
「ツキヨム」楽曲化短編小説コンテストの応募作品であり、"蛇よ、どうか今宵は月に溺れぬように(序章・著:成田良悟)" の続編ですが、本作のみでも理解できるようになっています。(できれば序章を読んでから本作へ進むことをお勧めします)
月読峠。
某市の北西に位置する地域であり、山林も住宅街も工業地帯も学校も全ての地方性が押し込められたような町である。
この月読峠には不思議な名物がある。
それが、「古地図」だ。
古地図は数多生み出されており、そのどれもが月読峠を記していながら若干の違いを持っている。
ある場所に記号が書かれている、物語が綴られている、など違いは多々あれど、全く同一の古地図は存在しない。
そんな古地図の謎は、誰にも解明されていなかった。
あるとき、地図に記された月読峠にある神社の裏手から、白骨化した大蛇が発見されるまでは。
冒険の始まりにも思えた大発見。
しかし、他の古地図に示された場所を探しても新たな発見は生まれず、次第に騒ぎは鎮静化していった。
ほとんどの人が諦めてしまった中、惰性と個人的な事情により探索を続けていた夜少年と七巳はあるとき、二つ目の手がかりを発見した。
彼らが見つけた石碑。
そこには、一つの短歌が刻まれていた。
災禍出ず 秘術陥穽 神蛇贄 能わぬ詫び 業に月遁ぐ
彼らの冒険が一歩、進んだ。