あらすじ
時間に微細なズレが生じ続ける隔離地区――通称「反復地区」。
この地区では、同じ瞬間が繰り返され、
出来事がわずかに遅れ、あるいは巻き戻る。
住民たちはそのズレに少しずつ適応しながら生活しているが、
適応できない者は、やがて空間に押し潰されるように消失すると言われている。
転校生・日向は、地区に来た直後から違和感に気づいた。
周囲の動きが不自然に反復し、
時間が噛み合っていない瞬間を目撃してしまう。
やがて日向は、
同じく“ズレの影響を受けない存在”である少年・秋斗と出会う。
秋斗はこの地区の異常を当然のように受け入れ、
時間の歪みの中でも崩れない数少ない人物だった。
地区のズレに適応できない者は消える。
しかし完全に適応できない人間は、ごくわずかしかいない。
日向と秋斗――
「無効」の性質を持つ二人は、
なぜこの地区で存在し続けられるのか。
そして、この反復は誰が、何のために起こしているのか。
終わらない時間の中で、
少年たちは“ズレた世界の真実”へ近づいていく。