あらすじ
小さい頃から霊が視える僕……。
ある日の帰り道、僕は身体を小さく丸めながら、夜道を急いでいた。
前方に見慣れたガードレール。
ヘッドライトに照らされると、墓標のように白く浮き上がるその場所には、いつからか花束が供えられるようになっていた。
白い鉄枠の脇に供えられた青紫色のリンドウの花束の隣。
そこに女性が、ちょこんと座っているのをバッチリ捉えてしまった。
「あの、私のこと視えてらっしゃいますよね?」
「視えてません!独り言です!」
「……さっき目が合いましたよ?……今も合っていますよ」
僕はこうして、この幽霊にパシリとして扱われるのだった。