あらすじ
北辰高校の美術部員、氷室冴は、クラスの女子たちから「学校の守護動物」と可愛がられる、小柄で愛くるしいマスコット的存在。オーバーサイズの制服に萌え袖、上目遣いのあざとい仕草。誰もが彼女を「守ってあげたい美少女」だと思っていた。
だが、彼女には誰にも言えない秘密がある。
放課後の美術室。油絵を描くふりをして彼女が耽溺しているのは、あまりにも残酷で、あまりにも美しい「詰将棋」の創作だった。
「破壊しなきゃ、創れないの」
ある日、その隠された本性を、将棋部のエースにして学校一の秀才・瀬戸律に暴かれてしまう。
正体をバラされたくないと震える冴に、律は至近距離で甘く、冷酷な提案をした。
「君の本性を、盤の上で僕に全部見せてよ」
絵筆を駒に持ち替え、アトリエの片隅で始まる秘密の対局。
仮面を脱ぎ捨てた冴の指先が、最短手数の「詰み」という色彩で、完璧な王子様の論理を蹂躙していく――。
美術室の静寂を切り裂く、甘く、鋭利な本格将棋ラブストーリー。