あらすじ
かつて東京で、「正義」の代償として心身に深い傷を負った私は、逃げるように父の故郷である「月読峠」へとやって来た。
そこは、都会の喧騒とは無縁の、古びた信仰と退屈な日常が混ざり合う、箱庭のような町。
高校を留年し、周囲からは「暴力沙汰で一家を滅ぼした危険人物」という歪んだ噂を立てられ、私は自分の居場所を見失っていた。両親の優しささえも、今の私には「負い目」という重荷でしかなかった。
そんな息苦しい日常から逃げ出すように、私は家で見つけた一枚の「古地図」を手に、怪しげな古本屋を訪ねた。
そこで出会ったのは、楽々浦 夜という、底知れない観察眼を持つ少年だった。
彼は、私がひた隠しにしてきた「居場所のなさ」や「自分への苛立ち」を、驚くほどあっさりと、それでいて残酷なほど正確に見抜いてみせた。
「……私の何がわかるっていうんです?」
その問いへの彼の答えに、私は震えた。同時に、彼が差し出した「裏山の冒険」という不格好な誘いに、少しだけ心が動いたのも事実だ。
私は、彼が振るっていた鉈を奪い取り、東京で学んだ護身術――ティレ・マシェーの技で藪を切り裂き、進んだ。苛立ちをぶつけるように刃を振るい、少年の驚愕の視線を背に受けながら。
しかし、辿り着いた先で私たちが目にしたものは、ただの地図の答え合わせではなかった。
神社の私有地、その深い藪に隠された洞窟の奥。月の光に照らされて浮かび上がったのは、10メートルを超える巨大な蛇の化石。
それは、私の持ち込んだ地図に「龍」として記されていた、この土地の眠れる遺産だった。
この発見を境に、私の日常は、そしてこの静かな町は、制御不能な激流へと飲み込まれていく。
押し寄せるマスコミ、学者、そして利権を狙う影。
私は、あの「察しすぎる少年」と共に、この狂騒の渦中に立ち向かうことになる。
「地図」が指し示したのは、宝の場所ではなく、終わりのない冒険の始まりだった。
これは、とある変化の続きで、可笑しな話の私、先輩、曾お爺様との数のお話―――
◎こちらのコンテストの続きの話を書いてみました。よろしくお願いします。短編です……応援よろしくお願いします!
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