あらすじ
すべては1989年に始まった。
美咲は死者からの手紙と1989年に書かれた二つのメモを持って丘を登る。
真夏の陽射しの中、丘の上を目指す美咲は1989年に起きた出来事を思い出していた。
高校生だった美咲は学校の中で下位グループの『異端』に属し、一人ぼっちだった。
そんな美咲に声を掛けてきたのは、上位グループの頂点にいる晶。
そして、下駄箱にメモを投げ入れてくるMという謎の人物。
Mとのやり取りにささやかな楽しみを見出した美咲は、やがて晶とも秘密の時間を共有するようになる。
しかし、美咲の生活を支配する「テレビ人間」の影が晶との関係にも影を落としていく。
学校でも家でも追い詰められた美咲は、天安門事件とベルリンの壁崩壊を経てとある決意をする。
これは、1989年に起きた出来事と懸命に生きた人々の物語。