あらすじ

チーズ熟成士の橘千尋は、湿度1%の変化に気づく。  水ソムリエの水無瀬澪は、水道水の塩素濃度を舌で判定する。  塩職人の塩谷楓は、海水を見ただけで塩分濃度を推測する。  極めて専門的で、孤独な世界を生きる三人。  彼女たちが出会ったのは、ある食のシンポジウムだった。 「この人たち、同じ言語を話してる」  職業病を理解し合える、初めての相手。仕事の話で朝まで語り合い、互いの工房を訪ね、やがて身体を癒し合うようになる。  千尋のアヴィヤンガ。澪のタイ古式マッサージ。楓のストレッチ。  触れ合う手が、心の距離を縮めていく。 「私、二人のことが……好き」  発酵は、時間をかけて深まる。水は、形を変えながら流れる。塩は、溶け合って一つになる。  三人の関係も、そうだった。  職人の孤独、専門性への情熱、そして誰かと分かち合いたいという願い。すべてが混ざり合い、新しい味わいを生み出していく――。

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カクヨム
カクヨム2026/02/21
  • 現在の作品【短編小説】塩と水とチーズ ~発酵する私たち~(約26,000字)