あらすじ

奈良時代、命懸けの「遣唐使」として海を渡った二人の若者がいた。 一人は、一度読んだ書をすべて暗記する異能の才を持つ阿倍仲麻呂。 一人は、泥臭く知識を吸収し、国の形を変えようと誓う吉備真備。 世界最大の都・長安で、二人は同じ一人の女性・芳(り・ほう)を愛し、切磋琢磨しながら異国の地で絆を深めていく。しかし、運命は二人を無情に引き裂いた。 皇帝の寵愛を受けすぎるあまり、帰国を許されず唐の官僚として生きる道を選んだ仲麻呂。 そして、仲麻呂の想いと膨大な知識を日本へ持ち帰るため、独り荒海を越えて帰国した真備。 物理的な距離と、数十年という歳月に隔てられながらも、二人は「月」を通じて魂を交わし続ける。仲麻呂が詠んだ「三笠の山に出でし月」の歌に込められた真意とは? これは、日本の基礎を築いた二人の天才による、生涯をかけた友情と、決して届くことのなかった初恋の物語。

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カクヨム2026/02/21
  • 現在の作品碧海に燃ゆ、長安の月