あらすじ

大阪大学出身、眉間に大きなほくろを持つ、少し風変わりな主婦・A。 勉強ができ、教育熱心で、何事もきっちりこなす。けれど彼女は決して浮かない。 むしろ、どこか楽しそうで、堂々としている。 舞台は、小学四年生の息子の授業参観日。 「またあの人が来るわよ」とささやかれながらも、Aはいつもの明るい声で教室に現れる。 「うちの自慢の息子や!」 息子が発表したテーマは「なかま分け」。 総合病院を「たくさんを守る森」にたとえ、さらに政治家を「数限られた挑戦者」と分類する独自の視点に、教室は静まり返る。 「頭良いなあ」と先生がうなり、 「将来は東大?」と主婦たちがささやく中、 Aは涼しい顔で言う。 「子供は京大に行きたいんだって。自由に勉強できる環境に憧れてるらしい」 自信はあるが押しつけない。 知的だが嫌味にならない。 普通の世間話にも混ざりながら、ときどき独特な言葉を残していく。 そして突然の転勤。 小学校生活の終わりは、思いがけず訪れる。 「しりきれとんぼのようになってしまい残念ですわ」 最後までブレないその姿に、周囲の主婦たちは気づく。 ――あの人は少し変わっている。けれど、嫌いじゃない。 知性とは何か。 母親であるとはどういうことか。 「なかま分け」を通して見える、小さな教室の物語。 静かで、少しだけ誇らしい、風変わりな主婦の一日。

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小説を読もう2026/02/21
  • 現在の作品独特なのに嫌われないママ友――自信があるのに角が立たない人の話