あらすじ
「距離を測るだけの無能を養う余裕はない」
ガルディア王国軍の第七測量部隊で、七年間地図を描き続けてきたレインは、無能スキル【座標魔法】を理由に理不尽な追放を受ける。
しかし、彼らは知らなかった。
レインの持つ【座標魔法】が、単なる測量スキルなどではないことに。
追放され、軍の抑圧から解放されたレインは、スキルの真の力に覚醒する。
それは指定した座標の物体を強制的に「転移」させ、さらには空間そのものを「切断」「削除」する、物理法則を無視した神の如き力だった。
さらに、軍にとって最悪な誤算があった。
レインの頭の中には、七年間で測量したガルディア王国の「完璧な地形データ(座標)」が全て記憶されている。
——座標魔法の射程と精度は、術者の地形把握能力に比例する。
つまりレインは、この国においてのみ「王国のどこへでも不可視の斬撃と転移を撃ち込める」最強の存在と化していたのだ。
命を狙い追手を差し向けてくる王国軍に対し、レインは元偵察兵の少女リーゼと共に反撃を開始する。
これは、地図職人として国を裏から支えてきた男が、その知識と空間支配の力で、自分を捨てた国を盤面ごと塗り替えるまでの物語。