あらすじ
超絶難易度を誇るダークファンタジーRPG『アビス・ブレイバー』。そのゲーム内で全プレイヤーからヘイトを集める最悪のラスボス、大公爵ゼファーに転生してしまった俺。
このままシナリオ通りに進めば、勇者に討伐される惨めなバッドエンドが確定している。しかし俺には、自身の破滅以上に許せないことがあった。
それは、ゲーム内で俺の最推しである悲劇のサブヒロイン、エララがどのルートでも必ず残酷な死を迎えてしまうことだ。
「推しが死ぬ運命など、俺が物理的にぶっ壊してやる」
そう決意した俺は、ゲーム終盤のバグ級ステータスとラスボス特権をフル活用し、エララを絶対に死なない最強キャラへと育成することを決意する。手始めに彼女を暗殺者から守るため「誘拐(という名の保護)」を行い、魔物ひしめく自陣のダンジョンで「過酷な試練(という名の安全なレベリングと豪華な食事)」を与え続けた。
しかし、俺の行動は世界中から「ついに最凶の魔王が世界征服に乗り出し、聖女を拷問している」と致命的な勘違いをされてしまう。
その上、本来エララを救うはずだった原作の傲慢な勇者は、俺が差し向けた経験値用スライムにすら敗北して没落。
一方、全てを与えられ最強となったエララは俺の不器用な優しさに気づき、その好感度は限界を突破。やがて彼女は勇者ではなく、ラスボスである俺の「愛しの絶対防衛魔将」として覚醒してしまう。
これは、推しを愛でたいだけのラスボスが、勘違いの連鎖で世界を救済し、最強のヒロインと共に無双するドタバタファンタジーである。