あらすじ

台所に立っても、学校の教室にいても、誰の視界にも入らない。高校生の空夜(そら)は、まるで世界から削り取られたような「透明な日々」を送っていた。家族との会話はなく、幼馴染の隣で笑うことも諦め、自分の存在を否定しながら生きる彼女。 そんなある日の放課後、彼女の前に黎(れい)と名乗る不思議な青年が現れる。 「君は、誰かの影じゃない」 人ならざる気配を纏う彼は、空夜を”世界の外側”へと連れ出し、孤独だった彼女の心に、忘れかけていた温もりを教えていく。 自分を信じる力を取り戻していく空夜。 止まっていた彼女の世界が、黎との出会いによって再び動き始める。 しかし、変わり始めた日常の先で、空夜が最後に選び取った「自分の居場所」とは——。 美しくも切ない、孤独な少女と神様の再生ストーリー。 【主要登場人物紹介】 ・空夜(そら) 家族や周囲から希薄な存在として扱われ、自信を失っている少女。黎との出会いを通じて、自分の存在を肯定できるようになっていく。少し世間知らずで”ちょろい”一面もあるが、心の奥底には強い願いを秘めている。 ・黎(れい) 「夜」を司る神様。孤独に耐えかねていた空夜を見出し、彼女を救うために現れた。空夜を優しく導く存在だが、神様ゆえの異質な価値観を持っており、彼女のためなら世界の理さえ書き換える。 ・莉子(りこ) 空夜の幼馴染で、クラスの人気者。常に空夜の隣にいるが、二人の間には幼い頃から複雑な感情が横たわっている。変化していく空夜に対して、焦燥感を抱き始める。 ・空夜の家族(父・母・弟) 空夜をそこにいて当然の「背景」として扱い、食事の席でも一言も言葉を交わさない。悪意というよりは、無関心によって空夜の心を壊し続けた。

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カクヨム
カクヨム2026/02/20
  • 現在の作品空(くう)に夜明けの星を待つ