あらすじ
遠い昔、人と神が近くに在った時代。
山奥の社に棲む千年を生きる白狐は、祈りを受け取る存在だった。
ある冬の日、家族を守ってほしいと真っ直ぐに願う娘の祈りに心を打たれた白狐は、里へ降り、人知れず彼女の家族を守る。
春が訪れ、娘は感謝の気持ちとして小さな油揚げを供える。
その瞬間、白狐は“守る喜び”を知る。
やがて時代は移り、祈りは減り、人々は目に見えるものだけを信じるようになる。
それでも白狐は消えなかった。
本気の願いと、忘れぬ感謝がある限り――
白狐は今も、静かに人のそばにいる。
祈りと創造の中に宿る、
目には見えない“契り”の物語。