あらすじ
※おことわり:本作にチート要素はありません
【導入部のあらすじ】
会社の方針でシナリオライターとしてのデビュー作となるはずだったゲームが制作中止になった。
その上、新しいPは中止させたRPGの素材をリサイクルして乙女ゲーを作れと言い出した。
嫌々だけど了承した。生きるために。
そしたら今度は別案を出せとか言い出し、コメディー・バトル・BL・ホラーの設定案を追加で提出させられた。
全ボツ。元のテンプレ案継続……。
殺意を押さえながらなんとかシナリオを書き終えたら、最後に使いもしない激モブの設定まで書かされた。
もうたくさんだ。
私は週明けに辞表を出すことを決意しつつ、会社を出て居酒屋の生中に向かって歩き出した。
そんで事故って死んだ。
転生に気づいたのは9歳。
そこは私が書いた乙女ゲーの世界だった。
私が転生したキャラの名前はビアンカ・ナンチャーラ。
退社間際に雑に設定を書いた激モブである。姓が示すとおりテキトーの極みだ。
でもそのおかげでここが乙女ゲー世界だって気づいた。
いいんだか悪いんだか。
私は開き直って作者としてこの世界を楽しむことにした。
具体的には、ゲームの舞台となる学園に入学して、人気絵師さんによる素晴らしいキャラたちの生身の姿をこっそり鑑賞すること。
ただ見るだけ。作者だけど世界にも物語にも影響は与えない。というか、田舎男爵の娘なのでそんな力はない。
しかし、見るだけなら激モブの陰の薄さはとっても便利。
時は流れ入園の前年、ボロい王都屋敷の管理人を引き受け、私は王都にやってきた。
そこで入園に向けての準備をしようとしていた矢先、ひとりの変な少女に出会った。
金髪ショートのポンコツ。
それはゲームの悪役侯爵令嬢パトリツィアの、ボツになったコメディー設定の姿だった。
それをきっかけに侯爵家とのつながりができ、その流れで、私はパトリツィアの貴族令嬢化の手伝いをする羽目になってしまった。
ミッションは、パトリツィアを入園までに表面的には普通の貴族令嬢にすること。
作者として賛成。
このゲームのシナリオはクソ。ビジュが全て。なのでアレはNGだ。
キャラと関わるつもりはなかったけど、なんとかしなければいけない。
全ては楽しい鑑賞生活のため。
私は覚悟を決めて、前世の尻ぬぐいを開始した。