あらすじ

雪の少ない町に、その年は何度も雪が降った。 凍った道で転びそうになった瞬間、同級生の彼に腕をつかまれたことから、私の冬は静かに動き出す。 目立つ存在ではない彼と、挨拶を交わすようになる日々。 何気ない会話や、ふとした気づかいに触れるたび、これまで見えていなかった輪郭が浮かび上がっていく。 参考書に挟まれた一枚の押し花。 言葉にならない沈黙。 雪の夜、月のにじむ空の下で交わした会話。 誰のものでもない月を見上げながら、私は少しずつ、自分の気持ちと向き合っていく。 それは、特別ではない冬の物語。 けれど確かに、心の奥を静かに照らす恋の記憶。

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エブリスタ2026/02/19
  • 現在の作品誰のものでもない月