あらすじ
灰霧禍から十四年。日本列島の大半は廃虚と化し、生き残った人類は巨大な防壁に守られた「結界都市」の中で息を潜めるように生きている。
廃域を徘徊する怪物——「異形」を討伐する使役士・黒瀬灯は、自らの血が唯一の武器となる残火の少女・白瀬エリナとともに、最底辺の依頼をこなしながら生きていた。
しかし、仕事のたびに積もっていく違和感がある。異形の傍には、決まって子どもの持ち物が残っている。エリナの「共鳴」が拾う感情は、怒りや憎しみではなく——怖い、寂しい、帰りたい、そういう声だ。
やがて灯たちは、誰も口にしなかった真実に辿り着く。
異形は、化け物などではなかった。アッシュに侵食され、戻る方法を知らないまま、廃域をさまよい続ける——元・子どもたちだったのだ。
それを知りながら隠蔽し続けてきた枢機院。残火の血を搾り続ける社会。そして、救う方法はあるのかという問い。
「倒す」から「救う」へ——少女の共鳴と、男の怒りと、仲間たちの命を賭けて、世界を変える度が始まる。