あらすじ
異世界ラディアス王国では、勇者は神に選ばれる存在ではない。
国家資格である。
三年ごとの更新試験。
王立勇者庁による管理。
魔王討伐も災害級魔獣対応も、すべて公務として扱われる。
史上最年少で勇者となった平民出身の青年、セイル・アーヴェント。
彼は魔王を討ち果たした後、更新試験を受けなかった。
理由はただ一つ。
第一王女リア=エルフィナとの婚約を、政治の都合で一方的に破棄されたから。
資格は失効。
元勇者の肩書きだけが残る。
魔獣を倒せば違法業務。
村を救えば違反通知。
それでも彼は剣を置かない。
「資格がなくても、守るのは自由だろ」
やがて明らかになる真実。
勇者資格制度は、王家の力を維持するための装置だった。
そしてセイルは、王族適合値が極めて高い存在。
王都崩壊寸前の危機。
王命を無視し、王女は封印書類を破棄する。
再発行される資格。
だがセイルは条件を出す。
「勇者は国家の道具じゃないと、法律に明記しろ」
戦いは圧勝。
だが本当の勝利は、制度改革。
勇者追放でも、成り上がりでもない。
これは、失効から始まる国家再編の物語。
怒り、涙し、最後は静かに笑える。
勇者国家資格制度×法改正×王族恋愛。
剣で世界を救い、言葉で未来を変える。