あらすじ
「国境を解放しましょう、多様性のために」
「警備兵を減らしましょう、平和と愛のために」
安全な王宮の奥底で、バカな王子と聖女が微笑み合いながら『高貴な理想』を語る。取り巻きの貴族たちは、最新のブランド品でも自慢するように、その進歩的な正義を称賛し、酔いしれる。
――けれど、その『綺麗な言葉』のせいで、最初に牙を剥かれるのは誰?
最初に家を焼かれ、最初に命を落とすのは、壁の向こう側で必死に生きる名もなき民衆じゃない。
ブラック企業で働き詰め、気づいたら死んで転生していた私が目覚めたら、顔が悪役令嬢っぽいというだけで「悪役令嬢」と周囲から決めつけられている公爵令嬢、イザベラに転生していた。
(愛? 多様性? ……言うのは簡単ですよねー。で、割を食うのは誰よ?)
これは、美辞麗句を並べる偽善者たちを、悪役令嬢が「現実」で淡々と叩き潰す物語。
「綺麗な言葉で満足するのは勝手です。でも――私の平穏な老後を巻き込むのはやめていただけます?」