あらすじ
2050年、大阪。
AIが社会を最適化し、信号は三秒で変わり、入学式で誰もミスをしない。
整いすぎた世界。便利すぎて感謝する気にもならない日常。
岐堂選、十五歳。
主人公になりたいとは思わない。端っこで座っているモブが一番気楽だ。
——そのはずだった。
この街では、人が静かに消えている。
「事故」として処理され、翌日には誰も覚えていない。
花屋の店主が消えれば新しい店が入り、
クラスメイトが消えれば席順が詰められる。
都市の「最適化」。誰も疑わない。誰も気づかない。
——俺だけが、見てしまった。
入学初日、黒いコートの少女ミラに手渡されたのは、
未来装備「AXIOM」。
判断を加速し、選択を最適化するインターフェース。
だが、使うほどに「迷い」を削り取る。
見えるようになった世界は、正しくて、速くて、残酷だった。
消された両親の真相を追い、
最適化された都市に抗う少年の物語。